「傷病手当金を検討してるけど、相談した人に『もらわない方がいいよ』って言われて悩む」「もらわない方がいいって言う理屈もわかるけど、あまりに仕事がしんどすぎる」そうやって頭を抱えていませんか?
「仕事は大変なもの」「仕事はしんどいもの」そう言い聞かせながら頑張っても、どうしても耐えられなくなる時がありますよね。
この記事では、傷病手当金をもらわない方がいいと主張する人の背景と、実際に傷病手当金で生活している私が感じているメリットとデメリットを紹介します。
- 傷病手当金をもらわない方がいいと主張する人の背景
- 傷病手当金で生活するメリットとデメリット
私の体験を交えて書いていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
あなたの上司は、あなたが傷病手当金をもらわない方がいい
傷病手当金はもらわない方がいいと主張する人がいます。本当にそうでしょうか。
そう言ったのがもしもあなたの上司や同僚なら、彼らはあなたをうまく利用しようとしているだけかもしれません。
あなたが抜けたら仕事が増える、経営者からの評価は下がる。上司にとっていいことなんてひとつもありません。
あなたのことを思いやらず、自分のことしか考えない上司は必ず反対します。もし反対されたなら、その上司からできるだけ離れるように気をつけましょう。
傷病手当金をもらわない方がいいと主張する人たちの理屈

ここでは「傷病手当金をもらわない方がいいという主張」を並べます。あなたはこんなことを人から言われてはいませんか?
- 「有給の方がたくさんお金がもらえる」
- 「空白期間が長いと不安」
- 「精神病は甘え。やる気があればなんとかなる」
しかし、あなたが「休みたい」と思う気持ちを解決する内容はここにありません。
あまり真正面から受け止めず、「おかしなことを言うなぁ」くらいの温度で読んでみてください。
主張1「有給の方がたくさんお金がもらえる」
これは確かに間違っていません。会社が与えてくれている「年次有給休暇」を使ったなら、その休んだ日数分の給料は全額支払われます。
問題は「年次有給休暇」は最大で40日しかないこと。使い切ってしまうと風邪ですら有給を使えなくなってしまいます。
対して「傷病手当金」。受け取っている給料の約3分の2(66%)しか受け取れませんが、最大で18ヶ月(540日)受給できます。
- 【有給】月の収入=30万円 ただし有給休暇が20日分使用され、減少
- 【傷病】月の収入=20万円 有給休暇はそのまま残り、別の時に使える
せっかく傷病手当金を使えば別の時に有給を使えるのに、もったいないと思いませんか?
主張2「空白期間が長いと不安」

「あまりに長く休んでしまうと働きたくなくなってしまう」「体力が衰えて何もできなくなってしまう」というような主張です。
特に、体を動かす職人系の仕事をしている人が言いがち。
傷病手当金は病気やケガで働けない間の生活を支えてくれるもの。働かない「空白期間」はどうしても存在することになります。
ですが、その「空白期間」こそがあなたの欲しいもの。今のまま働くことに不安を感じているあなたに響く言葉ではありませんね。
主張3「精神病は甘え。やる気があればなんとかなる」
「情けない」「弱い」などというような主張です。
私が思うに「やる気」とは、頑張ったことに対する報酬があってこそ生まれるものだと思っています。
その報酬とはお金に限らず、休暇や昇進、信頼や賞賛・尊敬などなど。過去にそんな報酬を得た経験があったり、これから得られると信じられるからこそやる気は出るのです。
何もないと心は病んでいきます。そんなあなたに「やる気」出せとは?上司さんにやる気出してもらいたいですよね。
【もらわない方がいいと思う?】傷病手当金をもらうデメリット5つ

先の主張と重なる部分がありますが、傷病手当金をもらうデメリットです。
確かにデメリットなんですが、考えようによってはメリットになり得るので、しっかり読んでみてください。
- 奥さんからのプレッシャーがある
- 確かに空白期間はできる
- 働いていた頃よりも少ない収入
- 「国からお金をもらう」という罪悪感
- 期限付きなので、いつかは動かなければならないい
奥さんからのプレッシャーがある
「働いてないんだからこれくらいしてよ」と言う奥さんからのプレッシャーが一番辛いかもしれません。
とはいえ本当に働いてないのですから、家事も育児も全部できます。そういったことをやっていると、今までの奥さんの苦労も理解できますし、自由な時間ができた奥さんも喜ぶもの。
2〜3ヶ月もするときっと奥さんもわかってくれるようになります。
「国からお金をもらう」という罪悪感
「今、国全体が大変な時期なのに、自分のためにお金をもらうなんて申し訳ない」なんてことを考えていませんか。
そんなことを気にする必要はありません。なぜなら、あなたが受け取る手当金はあなたが支払ってきた社会保険料で賄われるからです。
だから、大丈夫。遠慮せずに受け取って、ゆっくりと長い休みを満喫してください。
期限付きなので、いつかは動かなければならないい
傷病手当金は最大で18ヶ月です。それは休職期間も退職後も合計して18ヶ月。それを超えると手当はなくなってしまいます。
なので、いつかはまた働かなければなりません。そう、「いつかは」です。
18ヶ月。1年半。しっかりと休養してからまた頑張ればいいんです。今は休むことだけ考えていて大丈夫ですよ。
【もらわない方がいいと思う?】傷病手当金をもらうメリット5つ

傷病手当の最も大きなメリットは働かずともお金がもらえることですが、そのおかげでお金以上の大きなものを得ることができます。
ここからは傷病手当金を受け取ることで得られるメリットを挙げていきます。
- やりたいことに集中できる(育児・趣味・勉強など)
- 今の職場(上司)から逃げ出すことができる
- 働かずともお金がもらえる
- 有給が減らない
- 将来の選択肢が増える
やりたいことに集中できる
傷病手当を受け取って生活すると、今までやりたくてもできなかったことを全力で楽しむ時間ができます。
お金のことは手当に任せて、今しかできないことを今のうちに全部やってしまいましょう。
- 小さな子供たちと毎日を過ごす
- 釣りやキャンプなどの趣味を楽しむ
- 家事を頑張って奥さんに1人の時間をプレゼントする
- 新しい仕事に挑戦するため、勉強する
将来の選択肢が増える
休職しながら傷病手当を受給していると、忙しく働いていた時は選べなかった、たくさんの選択肢が生まれてきます。
- 元の職場に戻るか、退職してしまうか
- 全期間(18ヶ月)休み続けるか、2〜3ヶ月で働き始めるか
- (辞めたなら)またどこかに就職するか、何かのフリーランスになるか
この選択肢は、今すぐに決めなくてもいいんです。休職して毎日をゆっくり過ごしながら、時間をかけて方向性を決めていけばいいんです。
私は勉強を選択しました。元の職場・業界には戻りたくなかったのです。そういう将来を選ぶことができたのも、傷病手当金のおかげです。
辞める前提で、退職後にもらうこともできる
ここまでで何度か触れてきましたが、傷病手当金は退職してからも受け取ることができます。
退職してから手続きを始めたのでは少し遅いのですが、在職中に休職するような状況ならば問題なく退職後も受給できます。
細かい手順などはこちらの記事で紹介していますので、一度ご覧になってください。
傷病手当金でゆっくりと仕事を休んでしまおう

「傷病手当金なんてもらわない方がいいよ」なんて主張する人。彼らの意図はご理解いただけましたでしょうか。彼らはあなたのことを思って言ってるのではありません。彼ら自身の保身のために言ってるだけなのです。
あなた自身の「もう休みたい」と言う心の声が聞こえているうちに、一日も早く手続きを始めて休んでしまいましょう。
手遅れになる前に。自分を追い込んでしまう前に。一緒にお休みしましょうよ。
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