「傷病手当金の手続きを会社が嫌がる。なぜだろう」「このまま書類を書いてもらえず、手当を受給できないのは困る。どうしたらいいだろう」と、頭を抱えていませんか。
この記事はこういう方へ向けて書いています
- 医師に休職を勧められて、傷病手当金を申請しようとしている
- 会社に相談したが、傷病手当の手続きをしてくれない
- 傷病手当を受給し、しばらくゆっくり休養したい
正しい知識を持つ会社なら親身に聞いてくれるはずですが、退職コンシェルジュも「会社などに妨害され受給失敗する方が約3%ほどいる」と言います。
この記事では手続きを拒否される主な理由と、その対処法について書いていきます。どうぞ最後までお付き合いください
退職コンシェルジュは傷病手当金の受給をサポートしてくれるサービスです。こちらもどうぞ
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【会社が嫌がる理由1】会社が無知で、勘違いしているケース
傷病手当金は今まで支払っていた社会保険料が元になっており、健康保険組合から手当が支払われます。会社に金銭的な負担はありません。
もし「そんな制度、ウチの会社にはない」と言われたとしても、傷病手当金は「健康保険法」という法律で国が定めた制度。健康保険料を天引きで支払っている方なら傷病手当金の制度は必ずあります。
- 傷病手当金で、会社からお金が出ていくことはない
- 会社で社会保険を納付しているなら、傷病手当金の制度は必ずある
担当の方が知らなかっただけの場合、きちんと知ってもらうだけで解決します。こちら(協会けんぽの資料に移動します)を参考に根気強く説明してみましょう。
【会社が嫌がる理由2】あなたの病気に労働災害の可能性がある場合
傷病手当金は「業務外でのケガ・病気で働けない期間」に対して支払われます。「業務外」ですから傷病手当金と労働災害は一切関係ありません。
しかし、あなたの病気が労働災害かもしれないと会社が認識している場合、傷病手当金の申請を嫌がられる可能性があります。
なぜなら、労働災害が発生すると労働基準監督署の調査を受けなければならないからです。場合によっては業務改善命令を受ける可能性もあります。
しかし、傷病手当は業務外での病気・ケガが対象です。労働災害にはなりえません。労働災害の申請を進める意思がない点を理解してもらえると、スムーズに記入してもらえる可能性があります。
【会社が嫌がる理由3】関係が悪く、会社から嫌がらせされているケース

わざと書類を遅らせる、間違った記載をして手続きをさせない等の嫌がらせをされるケースです。実はあなたに「辞めてもらいたい」と思っている場合も含みます。
この場合、しかるべき機関から注意や指導が入るだけで改善する可能性があります。
次から紹介する機関へ連絡をとり、相談してみましょう。
嫌がる会社に傷病手当金の手続きを進めてもらう3つの相談先
傷病手当金手続きの一部は事業主の義務です。しかしそれを拒否された場合、解決するにはプロの力を借りる必要があります。
- 【相談先1】社労士へ相談する
- 【相談先2】保険者へ相談する
- 【相談先3】弁護士へ相談する
社労士よりも保険者、保険者よりも弁護士がより強い相談先です。トラブルになっているようでしたらご参考になさってください。
【相談先1】社労士へ相談する
社労士とは社会保険労務士法に基づいた国家資格保有者で、労働・社会保険に関するスペシャリストです。
労働者目線で見る社労士の業務はこちら。
- 各種社会保険申請の代行
- 年金・社会保険に関する相談
もちろんほかにもありますが、労働者が直接関係するのはこの2つです。
社労士は、会社への直接交渉ができません。弁護士法第七十二条により、報酬を得た直接交渉は弁護士のみに許された業務と定められているからです。
社労士へ相談した場合は、あなた自身が会社へ「〇〇社労士事務所で相談しています」と一報入れて、会社からの反応を見るようにしましょう。
【相談先2】保険者へ相談する
保険者(健保組合)は、会社に文書を提出させることができます。
2 保険者は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者(日雇特例被保険者であった者を含む。)又は保険給付を受けるべき者に、保険者又は事業主に対して、この法律の施行に必要な申出若しくは届出をさせ、又は文書を提出させることができる。
引用:「健康保険法 第百九十七条の2」https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=211AC0000000070
あくまでも「提出させることができる」です。会社に働きかけるか何もしないかは保険者が判断します。保険者に動いてもらえるようお願いしなければなりません。
【相談先3】弁護士へ相談する

社労士のところで触れましたが、会社と直接交渉できるのは弁護士だけです。
傷病手当の手続きを拒否するような企業ならば、「弁護士が来た」その事実だけで解決する可能性があります。
もちろんその事実だけで解決せずとも、法律をベースに会社を説得してもらえます。労働事件を得意とする弁護士を探して相談しましょう。
傷病手当金をもらって退職する方法。最大18ヶ月間
【会社が嫌がる理由3】で少し触れましたが、もしかすると会社はあなたに「辞めてほしい」と思っているかもしれません。
それならいっそ、辞めてしまうのも一つの手です。退職しても傷病手当は受給できます。
こちらにその方法を記事にしています。ご参考にどうぞ。
傷病手当金を会社が嫌がる。もらわない方がいいと言われた時
会社が手続きを嫌がるだけでなく、「もらわない方がいい」とまで言ってあなたを説得しにくる可能性もあります。
彼らの言う「もらわなくていい理由」と、その反論を記事にしています。こちらもご参考にどうぞ。
傷病手当金をもらって会社を休職する4つのデメリット
メリットの多い傷病手当金ですが、デメリットもしっかりあります。
傷病手当金と休職のデメリットは以下の4つです。
- 収入の減少。傷病手当金は元の給料の3分の2。
- 期限がある。傷病手当は通算18ヶ月を超えて受給不可
- 社内での評価減少
- 復帰しづらく、そのまま退職してしまう可能性
デメリットだけを見てしまうと嫌になってしまいますが、もっと大きなメリットもあります。
こちらの記事は本記事でも一度紹介していますが、傷病手当金のメリットを詳細に執筆しています。よろしければご覧ください。
傷病手当金をもらえない10のケース。これから申請する方へ
こちらの記事では、傷病手当金をもらえない10のケースを紹介しています。
このケースにあなたが該当する場合、会社が傷病手当を嫌がるのも仕方ないかもしれません。
一度こちらの記事もご確認してください。
傷病手当金の申請に医師の証明は必須。理解ある医師の探し方
傷病手当金の申請にはあなたと会社と医師と、3者の申請書記入が必須です。傷病手当の申請を受け入れてくれる、理解ある医師を見つけなければなりません。
- 自分の足であちこちの病院を回ってみる
- すでに傷病手当を受けている方に教えてもらう
- 退職コンシェルジュに依頼する
理解のある医師は、初診で診断書を出してくれます。
退職コンシェルジュは傷病手当金受給をサポートしてくれるサービス。彼らは傷病手当に協力的な病院のリストを持っています。私も利用している、頼りになるパートナーです。よろしければこちらをどうぞ。
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傷病手当金を会社が嫌がる時は、適切な場所へ相談しに行こう

会社が傷病手当の申請を拒否している理由とそれをどこに相談すればいいかを紹介してきました。
傷病手当を受給して、ゆっくり休養するためにも、適切な場所に相談してしっかりと手続きを進めてもらいましょう。
何もしなければ受給できないかもしれませんが、受給できる可能性はまだあります。辛いと思いますが、もうひと踏ん張り、頑張ってください。
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