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失業保険をもらいながら週20時間以内で働く、最も合法な方法・手順

失業保険

失業保険をもらいながら週20時間以内で働くことは可能なのでしょうか。私の妻がちょうどいい体験をしたので、私的メモを含めてこの記事に残します。

私の妻がパートに採用され、週20時間以内で働く内容で合意し、労働契約を交わしてきました。よし、これで就職できた。再就職手当を申請しよう。そう思った妻がハローワークへ行くと、担当の方からこう言われたのです。

「あなたの状況は就職ではない。なので、再就職手当は受給できない」「パートで働きながら、新しい就職先を探しなさい

それを聞いて「はて?」と思った私は、仕事を休んで妻と共にハローワークで話を聞きました。そしてまとめたのがこの記事です。

この記事の内容
  • 再就職手当が受けられない場合、損しないためにはどうしたらいいか
  • 就職とみなされる条件・失業とみなされる条件
  • 雇用保険でもらえる給付金5つと、その条件
  • 不正受給になる状況2つ
  • 失業保険を受け取りながら合法的に働く具体的な流れ

この記事を読めばあなたも、「失業保険を受け取りながら働く合法的な方法」を理解できるようになります。ぜひ最後までお読みください。

この記事を書いた人
金魚

上司からのいじめ。挨拶しても無視されて、挨拶がないと怒鳴られて。そんな生活が嫌で無職になったアラフォー。
2022年秋に仕事を辞めて、2023年夏まで受給しました。今は沖縄で再就職しています。
退職コンシェルジュのおかげでほぼ1年休みました。とても大切な、価値観の変わる1年でした。
働かなくても毎月もらえる給付金。興味ある方はぜひご相談ください。公式LINEで相談受け付けています
。https://lin.ee/eDXy7XZ

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週20時間以内のパートに採用されても、再就職手当はもらえない

再就職手当を受給できない」と聞いた妻は、その理由を私にこう話しました。

「労働時間が不確定なシフト制で、週に20時間超える時もあれば超えない時もある」と言ったら、「それは就職ではない」と言われた、と。

週に20時間超える時もあれば超えない時もある=就職ではない

そしてさらに「今回決まったパートを続け、基本手当を受給しながら、あらためて就職先を探してください」とも言われたと。そこまで聞いて私は納得できました。

妻は狙っていなかったのですが、実はこれが、アルバイトしながら正当に満額受給する最も典型的な例だったのです。

再就職手当をもらえない理由が週20時間の労働時間なら、基本手当を受給できる

失業保険の手当5つ。条件次第ではもらいながら働くことができる

画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/1506169&title=ハローワークの資料

アルバイトしながら満額受給する方法を話す前に、まずは失業保険の、基本手当を含む5つの手当について知ってもらいたいと思います。

ここで紹介するのは「基本手当」「再就職手当」「就業促進定着手当」「就業手当」「常用就職支度手当」の5つです。

まず知りたい、失業保険の手当5つ
  • 基本手当
  • 再就職手当
  • 就業促進定着手当
  • 就業手当
  • 常用就職支度手当

もしかすると聞いた経験のない言葉が並んでいるかもしれません。実際、下の3つは私も知りませんでした。

就職前に受給できるのは基本手当だけで、それ以外の4つは就職した後に受給できる手当です。この4つをまとめて「就業促進給付」と呼びます。

もらいながら働けるのは「基本手当」「就業促進定着手当」「就業手当」の3つで、どれか2つの同時受給はできないようになっています。

基本手当

失業給付を申請した方のなかで、就職が決まっておらず、求職している方が受けられる給付です。一般的に言われる「失業保険」はこの手当を指すことが多く、最もよく知られています。

基本手当の対象者は「失業している方」で、就職を報告すると就職したその日から支給が停止します。

「失業」と「就職」の定義については後ほど解説いたします。

再就職手当

ここからは就職した方が受けられる「就業促進給付」です。まずは「再就職手当」から。

再就職手当は早期に就職が決まった方が受けられる給付で、「そのまま待ってたらお金もらえたのに!」と損した気分にならないようにある給付金です。

再就職手当の概要
  • 対象者
    • 就職先で雇用保険に加入した
    • 基本手当の受給期間が1/3以上残った
    • 再就職先で確実に1年を超えて勤務する など
  • 受給金額
    • ざっくり「残った金額の60〜70%」(就職したと認められた時期により給付額が変動する)
  • 申請できる期間
    • 再就職後1ヶ月以内

この手当を申請すると、それ以降ハローワークに行く必要がなくなります。手続きの回数も少なく、一番スッキリする手当ですね。

就業促進定着手当

離職前の給料と再就職後の給料を比べて、再就職後の1日あたりの給料が下がってしまった方に向けた手当です。

半年分だけですが、その差額を埋めるように手当が支給されます。

就業促進定着手当の概要
  • 対象者
    • 再就職手当を受給した
    • 再就職後、その会社で半年以上働いた
    • 賃金が下がってしまった
  • 受給金額
    • 下がった金額×半年間で働いた日数
  • 申請できる期間
    • 就職後6ヶ月め〜8ヶ月めの間

半年間は下がった分を補助してもらえるので、半年の間に下がった給料でも暮らせるような生活に慣れなければいけません。

就業手当

「就業手当」は、雇用保険に加入して基本手当が受給できなくなるのに、再就職手当がもらえない(短期バイトなど)方に向けた救済措置のような手当です。

就業手当の概要
  • 対象者
    • 就職先で雇用保険に加入した
    • 1年未満の有期雇用(再就職手当の対象外)
    • 基本手当の受給日数が1/3以上かつ45日以上残った
  • 受給金額
    • 就業日数×30%×基本手当日額(上限あり)
  • 申請できる期間
    • 4週間に1回の「失業認定日」

再就職手当の支給率が60〜70%なのにこちらは30%と低いので、できれば避けた方がお得です。

再就職手当をもらえない理由が雇用される期間なら、就業手当が受給できます

常用就職支度手当

「常用就職支援支度手当」は、障がい者などの就職困難者が条件を満たして就職した際に受けられる手当です。

精神病患者もこの就職困難者に該当する可能性があります。

常用就職支度手当の概要
  • 対象者
    • 基本手当の残日数が3分の1未満で就職した
    • 就職先で雇用保険に加入した
    • 就職困難者(障害がある方など)
  • 受給金額
    • 90〜45(残日数により変動)×40%×基本手当日額(上限あり)

一般の方にはあまり縁のない手当かもしれません。

ハローワークのスタッフに聞いた、不正受給と判断される大前提

画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/24636382&title=ハローワークの建物に掲げられている看板

不正受給の話が出るのは、あくまで、働いてるのにそれを報告していなかったり、報告が漏れていたり、給料の額を全然違う額で申告していたり。そういう場合に(不正受給の)話が出ます。

きちんと事実をきっちり、何時間・何回(労働に)出てますと報告して、給料は先月分いくらもらいましたと報告をして、お仕事探しも、この日とこの日にハローワークで相談しました、面接しましたっていうのを、全部漏れなくやってもらったら、全然、手続きに支障はありません。

アルバイトとお仕事探しが両立できるかなってところが、今後のポイントです。

ハローワークスタッフさんの談話(カッコ内は私の注釈)

上記は、実際に私がハローワークのスタッフさんに聞いた話を文字に起こしたもので、まとめるとこうなります。

不正受給と判断される2つのケース
  • 報告しなかった
  • ウソを報告した

つまり「私のケースは不正受給を疑われないかな」と不安に思ったなら、それをハローワークで相談すればすべてOKです。

もちろん、「その事例では受給できません」と言われるケースはあるでしょう。しかし、報告・相談していれば、不正受給になりようがないのです。

失業保険をもらいながら働くために知るべき「就職」と「失業」の定義

失業保険を受給するには「失業の状態」を維持しなければいけません。失業の状態とは、以下の3つを満たした状態です。

「失業」の条件3つ
  • 離職するまで雇用保険を払っていたが、今は払っていない
  • 就職する意思と能力があるのに就職できていない
  • 積極的に求職活動をしている

雇用保険に加入しなければならない条件、つまり「就職」とみなされる条件がこの3つです。

「就職」の条件3つ(=雇用保険に加入しなければならない条件)
  • 31日以上の雇用契約
  • 週20時間以上の勤務時間
  • 学生ではない

就職の条件は満たさず失業の条件を満たす。その状態ならば、期限までは失業保険の基本手当を受給し続けられます

失業保険をもらいながら週20時間以内で働く、具体的な流れ

画像:https://www.pakutaso.com/20230421111post-46548.html

ここから妻の体験したケースをもとに、失業保険をもらいながら働く具体的な流れをまとめていきます。

失業保険をもらいながら週20時間以内で働く、具体的な流れ
  1. 仕事を辞める
  2. 離職票を手に入れる(離職後1ヶ月程度かかるケースがある)
  3. ハローワークへ行き、求職申込を申請する
  4. 待機期間(7日)を経過する
  5. 「週20時間以上は働かない」条件で、パート・アルバイトを探す
  6. 「週20時間以上は働かない」条件でパート・アルバイトを見つけ、採用される
  7. ハローワークに行き、6を報告する(就職とはみなされない)
  8. 失業認定日にハローワークへ行き、労働を報告して失業の認定を受ける
  9. パート・アルバイトで働きながら、ハローワークの認める求職活動をする
  10. 8と9の繰り返しを数ヶ月間続ける
  11. 受給期間満了後、まだ求職を続けるか、諦めるかをハローワークと相談する

大事なポイントは、「最初は働くつもりだったけれど、パート(アルバイト)で十分だな」とあなたがいつ判断したのか、それをいつハローワークへ報告したのか、です。

その判断が所定給付日数分の受給を終えた後なら、受給に関して何も問題ありません

「数ヶ月の間、週20時間以内で働いたが、割と生活できることがわかった。今はこのままでもいいかなと考えている」

受給完了後に、ハローワークへはそう伝えてあげましょう。それが事実なら何ら問題はありません

失業保険をもらいながら週20時間以内のアルバイトで損する事例

あなたも含め、誰も損はしたくないはずです。支給延期ならば後日満額受給できる可能性がありますが、減額や不支給になってしまうと失った手当はもう2度と受給できません。

まずは、手当が減額になるケースと不支給になるケースを紹介します。

筆者作成
事例① 失業手当が減額になるケース
  • 1日4時間未満の労働
  • 1日あたりにもらった給料の額が、ある一定の金額以上かつ、賃金日額の80%未満

このケースでは減額されますが、支給は受けられます。とはいえ給付日数が1日減ってしまい、減額された分はもう戻ってきません

事例② 失業手当が不支給になるケース
  • 1日4時間未満の労働
  • 1日あたりにもらった給料が賃金日額の80%以上

このケースは不支給です。給付日数がただ1日減るだけ

しかしよく考えてみると、4時間未満の短時間勤務で前職の80%もの給料を得るとはかなりの高給です。不支給で仕方ないかもしれません。

事例③ 全額受給できる(可能性がある)ケース
  • 1日4時間以上の労働:延期
  • 1日あたりの給料がある一定未満の金額:全額受給

バイトしながらでも、1日あたりの給料がある一定額未満なら全額受給できます。延期された場合も延期した先であらためて全額受給できる可能性があります。

「ある一定額」についてはこちらの記事でもう少し細かく触れていますので、よければご覧ください。

仮に「離職時賃金日額」がちょうど10,000円の場合、「ある一定の金額」は1,964円です。

受給しつつ働くと、何ヶ月ハローワークに通わなければならないか

画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/3858392&title=失業認定申告書

基本手当を受給しながら働くと、どれくらいの期間ハローワークに通わなければならないかを考えてみます。

前提として、給付制限が2ヶ月、所定給付日数が90日で、月に10日働くとしましょう。

前提
  • 給付制限:2ヶ月
  • 所定給付日数:90日
  • 1ヶ月のうち1日4時間以上働いた日数:10日

月に4時間以上働いた日数が10日なので、月に給付される日数は20日です。(30ー10、土日などは考慮されない)

つまり、20日分支給される月が4ヶ月と、10日分支給される月が1ヶ月ある計算です。

つまりこのケースでは、給付制限の2ヶ月4ヶ月1ヶ月7ヶ月もの間、ハローワークに通い続けなければなりません。

上記前提の場合、7ヶ月間ハローワークに通わなければならない

この7ヶ月間が辛いと感じる方は、アルバイトを諦めるか、早々に就職してしまった方がよいでしょう。実際私の妻もこのハローワーク通いが辛いらしく、就職する(週20時間以上働く)方向で考えを改めたようです。

なお、月の労働日数を20日で計算すると、なんと11ヶ月間もの間通い続けなければなりません。受給できる期限が原則1年なので、ちょっと注意が必要ですね。

失業保険をもらいながら週20時間以内で働くメリットとデメリット

ここまで書いてきた内容を、あらためてメリットとデメリットに分けてまとめます。

失業保険をもらいながら週20時間以内で働くメリット
  • 失業保険を満額受給できる可能性がある
    満額=基本手当日額×所定給付日数
失業保険をもらいながら週20時間以内で働くデメリット
  • 最大1年近く、毎月ハローワークに通わなければならない
  • 週20時間以内に収まっているかどうか、確認しながら働かなければならない
  • パート・アルバイト先に、あなたの働き方を考慮してもらわなければならない
  • 1日4時間未満の日は、減額される可能性がある
  • 詳しくない人から見ると、不正受給しているように見える可能性がある

一言で表すと、「お金はもらえるが面倒くさい」です。難しくはなく、むしろ簡単ではあるのですが、とにかく面倒。

その面倒さに耐えられない方は、もう少しだけ働いて週20時間を超えると雇用保険に加入できます。

雇用保険に加入できると、再就職手当が受給できる可能性があるうえ、あれこれ気にしていたすべてをさっぱり忘れられるメリットがあります。

再就職手当をもらえない場合、どうしたら損しなくてすむか

妻のように再就職手当をもらえないケースがあるのはわかりました。では、再就職手当を受けられる条件はどんなものなのでしょう。先の見出しで少し触れていましたが、ここではもう少し細かくお伝えします。

再就職手当を受けられる9つの条件
  1. 7日間の待期期間が完了している
  2. 基本手当の支給残日数が、所定給付日数の1/3以上残っている
  3. 離職した会社や、その関連会社に就職していない
  4. ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職した
  5. 1年以上勤務することが確実
  6. 新しい会社で雇用保険に加入
  7. 過去3年以内に再就職手当又は常用就職支度手当の支給を受けていない
  8. 求職申込み前から採用が内定していた会社ではない
  9. 再就職手当の支給決定の日までに離職していない

この9つの条件のうち、満たせなかったときに他の給付を受けられるのは5と6だけです。その他が満たされなかった場合はとても残念ですが、再就職手当もそのほかの手当も受給できません。

再就職手当を受けられなかった理由が5か6のケースならば、以下の手当を受けられます。

再就職手当を受けられなかった理由と、代わりに受けられる手当
  • 雇用期間が1年未満と決まっている(5が満たされない)場合
    • 就業手当を受給可能
  • 新しい会社で雇用保険に加入しない予定(6が満たされない)場合
    • →引き続き、基本手当が受給可能

私の妻のケースは6が満たされなかったので、基本手当が受給できます。

失業保険をもらいながら週20時間以内で働くのは、案外簡単で合法

画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/26883677&title=カフェでリモートワークをする女性(OK)

以下の条件を満たせば、失業保険をもらいながら働くことが可能です。

失業保険をもらいながら働く条件2つ
  • 週20時間を超えて働かないよう、バイト先などにうまく調整してもらう
  • 受給満了まで、毎月ハローワークに通って求職活動する

「もう働いているのに求職活動するなんて意味がわからない」なんて思う方には不向きな方法ですが、これが唯一、合法でもらいながら働く方法です。

一言で表すと「お金はもらえるけれど面倒くさい」。週20時間を超えて雇用保険に加入すると、受給金額は減りますがもっとスッキリ働けるようになります。

面倒でもお金を取るか、さっぱり忘れて気持ちよく働くか。どちらがいいかはあなた自身の心に聞いてみましょう。

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